新規事業を任されたけれど、何から進めればいいのか迷っていませんか。この記事では、新規事業コンサルティングの支援内容や依頼できる事業フェーズ、会社の種類や費用についてわかりやすく解説します。

選び方のポイントや相談前に準備すべき項目まで整理しました。自社に合った支援会社を見極めるための参考にしてください。

新規事業コンサルティングとは

男1人によるホワイトボードを使った説明、事業の説明をしている、男1人女2人が聞いている

新規事業コンサルティングとは、企業が新しい事業を立ち上げる際に、外部の専門家が戦略立案から実行までを支援するサービスです。

社内に市場探索や事業開発の経験者が少ない企業ほど、専門家の知見を借りて事業化のスピードを高める目的で活用する傾向があります。支援範囲は事業の方向性を整理する段階から実行段階まで幅広く、企業の状況や課題に応じて依頼内容を選べるのが特徴です。

新規事業コンサルティングの役割

新規事業コンサルティングの役割は、社内だけでは得にくい専門知見と客観的な第三者視点を提供することです。社内の担当者は既存事業の枠組みや過去の経験をもとに発想しがちで、市場の変化を捉えた発想が生まれにくい場合があります。

外部のコンサルタントが加わることで、業界動向や競合の分析結果をもとに、事業の方向性を客観的に評価できるようになるでしょう。また、経営層と現場の間に立ち、事業化に向けた合意形成を後押しする役割も担います。

新規事業コンサルティングの支援内容

新規事業コンサルティングの支援内容は、事業の構想段階から実行段階まで多岐にわたっているのが特徴です。具体的には、以下のような領域が含まれます。

  • 市場調査や競合分析
  • 事業アイデアの創出とコンセプト設計
  • 事業計画の策定と収益モデルの検討
  • PoCの実施や事業化に向けた実行支援

支援会社によって得意領域は異なるため、自社が求める工程に合わせて依頼先を選ぶことが求められます。

新規事業コンサルティングの成果物

新規事業コンサルティングを依頼すると、プロジェクトの進行に応じて具体的な成果物を受け取ることができます。代表的な成果物は、以下のようなものです。

  • 市場調査レポート
  • 事業コンセプト資料
  • 事業計画書や収支シミュレーション
  • PoCの検証結果や実行計画

これらの成果物は一般的に、社内での意思決定や経営層への説明資料としてそのまま活用できる形で提供されます。

新規事業コンサルティングが必要な事業フェーズ

事業フェーズが移り変わる様子、男2人女2人がいる、新規事業に関するプレゼン中

新規事業コンサルティングは、事業化までのどの段階からでも依頼できるわけではなく、自社の課題に応じて適したタイミングがあります。市場探索の初期段階から実行フェーズまで、フェーズごとに求められる支援内容は異なるのが一般的です。

自社が今どの段階にあり、どのような課題を抱えているのかを整理することで、外部支援を依頼すべきタイミングが見えてきます。

市場探索とアイデア創出

市場探索とアイデア創出の段階では、事業機会の発見や仮説の具体化を目的に外部支援を活用します。社内だけでは既存事業の延長線上でしか発想できず、新しい市場機会を見落としてしまうことがあるでしょう。

コンサルティング会社は市場データや業界動向の分析をもとに、有望な事業領域を洗い出し、複数のアイデアを具体的な形に落とし込む支援を行います。自社に新規事業の探索経験が少ない場合ほど、この段階からの支援が有効です。

事業コンセプトの検証

事業コンセプトの検証段階でできることは、顧客ニーズとの整合性や事業としての実現可能性の確認です。アイデアの段階で終わらせず、実際に顧客が価値を感じるかを検証することで、事業計画の精度を高められます。以下のような検証項目が一般的です。

  • 想定顧客へのヒアリングやインタビュー
  • 提供価値と価格の妥当性確認
  • 競合との差別化ポイントの整理
  • 収益モデルの仮説検証

これらの検証を通じて、事業計画を実行段階に進めても問題ないかを判断できます。

PoCと事業化

PoCと事業化の段階では、検証済みのコンセプトをもとに実証実験を行い、市場投入に向けた実行支援を受けます。小規模な実証実験を通じて事業モデルの課題を洗い出し、改善を重ねながら本格展開の計画を固めていくのが一般的な支援内容です。

この段階では、社内リソースだけでは対応しきれない実行面での伴走支援が求められる場面が多く見られます。PoCの結果をもとに投資判断や体制構築を進めることで、事業化への移行がスムーズになるでしょう。

新規事業コンサルティング会社の種類

女1人が思考中、会社の事業について考えている、頬杖をついている

新規事業コンサルティング会社は、得意領域や支援スタイルによっていくつかのタイプに分かれます。

戦略立案に強い会社もあれば、実行支援や業務改善まで対応する会社もあり、依頼したい範囲によって適した会社は変わります。自社の課題やフェーズに合わせて、どのタイプの会社が最も成果につながるかを見極めることが大切です。

戦略系コンサルティング会社

戦略系コンサルティング会社は、市場分析や参入戦略の策定を得意とします。経営層への提案を前提とした調査力と論理構成力に強みがあり、事業の方向性を定める段階で頼りになることでしょう。

一方で、戦略立案までを主な支援範囲とし、実行フェーズへの伴走は別会社に依頼するケースも見られます。向いているのは、戦略の精度を高めたい企業や、経営層への説明資料をしっかり固めたい企業です。

総合系コンサルティング会社

総合系コンサルティング会社は、戦略立案から業務設計、システム導入まで幅広い領域を一貫して支援します。戦略だけでなく、実行段階で必要となる組織体制や業務プロセスの構築まで対応できる点が特徴です。以下のような支援範囲を持つ会社が多く見られます。

  • 事業戦略の策定
  • 業務プロセスの設計
  • ITシステムの導入支援
  • 組織体制の構築

社内に幅広い課題を抱えている企業や、複数部門にまたがる支援を求める企業に適しています。

新規事業特化型コンサルティング会社

新規事業特化型コンサルティング会社は、事業開発の実行支援や社内人材の育成に強みを持ちます。戦略策定だけでなく、PoCの実施や事業化に向けた実務までハンズオンで伴走できる点が特徴です。

社内に新規事業の経験者が少ない企業でも、実行を担いながらノウハウを引き継げる支援を受けられます。自社で継続的に新規事業を生み出せる体制づくりを目指す企業に向いているでしょう。

新規事業コンサルティングの費用

男一人が机と椅子に座っている、費用について思考している

新規事業コンサルティングの費用は、契約形態によって料金体系や依頼できる範囲が異なるのが通常です。主な契約形態には、期間と支援範囲を定めるプロジェクト契約と、継続的な助言を受ける顧問契約があります。

自社が求める支援内容と照らし合わせながら、予算設定の考え方を整理しておくことが求められますので、準備が重要です。

プロジェクト契約

プロジェクト契約は、支援範囲と期間をあらかじめ定めて依頼する契約形態になります。市場調査や事業計画策定など、成果物を明確にした上で依頼できるため、予算の見通しを立てやすい点が特徴です。以下のような費用感で契約されるケースが見られます。

依頼内容期間の目安費用感
市場調査・事業アイデア創出1~2ヶ月数百万円程度
事業計画策定・コンセプト検証2~3ヶ月数百万円~1千万円程度
PoC支援・事業化伴走3ヶ月以上1千万円以上になることも

費用は依頼範囲や支援会社の体制によって幅があるため、複数社から見積もりを取り比較することが求められます。

顧問契約

顧問契約は、月単位で継続的な助言や伴走支援を受ける契約形態です。特定のプロジェクト単位ではなく、経営層や事業責任者の相談相手として、中長期的に関わってもらう場合に選ばれます。

依頼する頻度や関わる人数によって金額は変動しますが、月額数十万円から百万円程度が目安となることが多いです。継続的に新規事業を推進する体制を社内に根づかせたい場合、顧問契約の活用が候補になります。

新規事業コンサルティング会社の選び方

男1人が説明し男2人女1人が聞いている、コンサルティング契約締結にあたり選択肢を検討している

新規事業コンサルティング会社を選ぶ際は、単なる知名度ではなく自社の状況に合った基準で比較することが求められます。

支援実績や体制、担当者の専門性など、複数の視点から確認することで、成果につながる依頼先を見極めやすくなるでしょう。ここでは、比較検討の際に押さえておきたい選定基準を3つご紹介します。

自社の事業フェーズに合う支援実績

支援会社を選ぶ際は、自社と同じ業界や事業段階での支援実績を確認することが求められます。実績のある領域が自社の課題と離れていると、期待する成果につながりにくくなる場合があるのが注意点です。確認する際は、以下のような観点で実績をチェックすると良いでしょう。

  • 同業界での支援経験の有無
  • 自社と近い事業フェーズでの支援実績
  • 支援後の事業化や成果につながった事例

公開されている事例だけでなく、商談の中で具体的な事例を尋ねてみることも有効です。

実行まで伴走できる支援体制

支援会社を選ぶ際は、提案だけで終わらず実行まで伴走できる体制かどうかを確認することが求められます。戦略提案は的確でも、実行段階でのフォローが手薄な会社では、事業化までたどり着けないケースもあるのです。

商談時には、担当するコンサルタントの人数や役割分担、実行フェーズでの関わり方について具体的に質問しておくと良いでしょう。提案書だけでなく、実際に動くチーム体制まで確認しておくことで、依頼後のギャップを防げます。

コンサルタントの専門性

支援会社を選ぶ際は、実際に担当するコンサルタントの経験や得意領域を見極めることが重要です。会社としての実績が豊富でも、担当者個人の経験が自社の課題と合っていなければ、期待する支援を受けにくくなります。

面談の際は、担当者のこれまでの支援業界や案件規模、得意とする支援フェーズについて確認すると良いでしょう。会社全体の実績だけでなく、担当者個人の専門性まで見極めることが、比較検討の精度を高めます。

新規事業コンサルティングの相談前に準備すること

仕事に必要な準備物、パソコンやノート、ホワイトボードに準備中の資料が貼りだされている

新規事業コンサルティングへ相談する前には、依頼先との認識のずれを防ぐための準備が重要です。

目的や範囲、予算、期待する成果があいまいなまま相談すると、提案内容の比較が難しくなるので注意しましょう。ここでは、相談前に整理しておきたい4つの項目をご紹介します。

依頼する目的を明確にする

新規事業コンサルティングへの相談前には、外部支援によって解決したい課題と目的を整理しておくことが大切です。相談や依頼をする目的があいまいなままでは、提案内容が自社の課題とずれてしまう場合があります。

市場探索の支援を求めているのか、事業化の実行支援を求めているのかなど、解決したい課題を具体的に言語化しておくと良いでしょう。目的が明確であるほど、支援会社からの提案も自社の状況に沿ったものになりやすくなります。

依頼範囲を明確にする

相談前には、自社とコンサルティング会社の役割分担を決めておくことが求められます。どこまでを外部に依頼し、どこからを社内で担うのかを事前に整理しておくと、提案内容を比較しやすくなります。以下のような観点で依頼範囲を整理しておくと良いでしょう。

  • 調査や分析のみを依頼するのか
  • 事業計画の策定まで依頼するのか
  • 実行支援や体制構築まで依頼するのか

役割分担を明確にしておくことで、契約後の業務範囲をめぐる認識のずれを防げます。

予算と期間を設定する

相談前には、社内で確保できる予算と支援期間の目安を決めておくことが求められます。予算感が固まっていないまま相談すると、提案内容の規模感が自社の状況と合わなくなる場合があり、注意が必要です。

経営層と事前にすり合わせた予算の上限や、事業化までに想定している期間を整理しておくと、支援会社との認識合わせがスムーズになります。期間についても、短期での成果を求めるのか、中長期での伴走を求めるのかを決めておくと良いでしょう。

期待する成果を設定する

相談前には、成果物や達成基準を具体化して提案依頼につなげることが求められます。「新規事業を立ち上げたい」といった漠然とした要望だけでは、提案内容の評価がしづらくなり問題です。

市場調査レポートの完成なのか、PoCの実施なのか、事業化に向けた体制構築なのかなど、具体的な成果物や達成基準を設定しておくと良いでしょう。期待する成果を明確にしておくことで、提案依頼後の評価基準も定めやすくなります。

まとめ:まずは自社に合う新規事業コンサルティング会社へ相談

新規事業コンサルティングは、支援内容や費用、会社の種類によって特徴が異なります。

自社の事業フェーズや課題を整理した上で、実績や体制、専門性を基準に比較することが求められるのです。依頼目的や予算、期待する成果を事前に固め、自社に合ったコンサルティング会社へ相談を進めましょう。